■名勝・吾妻峡(めいしょう・あがつまきょう) 吾妻渓谷は、吾妻川に架かる雁ヶ沢(がんがざわ)橋から八ツ場大橋までの約3.55にわたる渓谷です。大昔に火山が噴きだした溶岩を、川水が深く浸食してできたものと考えられています。 鹿飛(しかとび)橋から約1の探勝遊歩道は、ゆっくり歩いて片道25分の家族向きのハイキングコースです。つづら折りの狭い道をたどっていくと、そば立つ懸崖や奇石、滝など変化に富んだ見どころが続き、渓谷の美しい眺めを一望できる見晴らし台もあります。 ミツバツツジの咲く4月中旬、新緑におおわれる5月、紅葉の美しい10月下旬〜11月上旬にかけてが渓谷探勝に最高のシーズンです。
■浅間隠山(あさまかくしやま) 東吾妻町や中之条町から見ると、浅間山を隠してしまうところから「浅間隠山」と名づけられた山です。富士山に似た山容から「川浦富士」、あるいは、山頂部が二峯に分かれているため「矢筈(やはず)山」といった別名もあります。 標高1,756.7の山頂からは、360度の展望が素晴らしく、浅間山はもちろん、北アルプス、上信越の山々、遠く関東平野も望めます。
麓の浅間隠温泉郷はハイカーに人気で、疲れを癒すのに最適なコースです。浅間隠山登山口から温川(ぬるかわ)の支流を、左右に何度か渡りながら登って行くと、標高1,300あたりから急な登りになります。このあたりから鞍部に至るまでを「シャクナゲ尾根」といって、5月中旬頃に素晴らしいシャクナゲの群生が見られます。
■岩櫃山(いわびつやま) 岩櫃山は標高802の岩山で、吾妻八景を代表する景勝地として知られています。南面は200の絶壁。奇岩、怪石からなる切り立った山容は、中国の南画のような趣きがあります。 山頂からの眺望は素晴らしく、眼下には市街地、眼前には上州の山々が広がり、晴れた日には遠く富士山も望めます。
■日本名水百選「箱島湧水」とホタル観賞 箱島不動尊のお堂脇にある、樹齢400年とも言われる町の天然記念物「箱島不動堂の大杉」。その根元からこんこんと湧き出るこの湧水は、日量約3万トンもの豊富な湧出量を誇っており、「日本の名水百選」にも選ばれています。 良質の水は、鳴沢川(なるさわがわ)となって町内の飲料水、農業用水、養鱒場用水として利用されています。下流ではホタルが生息し、6月中旬〜7月下旬頃が見頃となります。
■岩井親水公園脇の水仙畑と桜並木 東吾妻町は全国でも有数のラッパ水仙の産地です。中でも岩井地区の岩井親水公園脇の畑一面に咲く景色は見事です。 水仙畑の隣には1にもわたる桜並木があり、黄色とピンク色のコントラストが観光客の心を楽しませます。4月上旬〜下旬頃が見頃となります。
■岩櫃城跡(いわびつじょうあと) 岩櫃山の中腹に築城された岩櫃城は、群馬県下最大の規模を誇る中世の山城といわれ、その築城は南北朝(14世紀)とされています。 戦国時代末期、真田氏の吾妻支配により、信州上田・上州沼田を結ぶ中継地点として岩櫃城は重要な役割を果たしました。吾妻郡内の中心的な山城であり、駿河の久能城、甲斐の岩殿城と共に、武田領内の三名城と言われています。
■忠治地蔵(ちゅうじじぞう) 江戸時代の大戸は、信州・草津街道の要所にあったことから、寛永8年(1631年)に関所が設置されました。幕末の嘉永3年(1850年)、大戸関所破りの罪でこの地で磔(はりつけ)にされた国定忠治ですが、天保の大飢饉(1833年〜1839年)の際に、米蔵を開放するなどで大衆に愛され、文久元年(1861年)には処刑場所に地蔵が建てられました。